病院から奨学金をもらっている看護学生が、授業等で行政保健師に興味を持ち、行政保健師になりたいと考えるようになりました。
看護大学等を卒業後すぐに行政保健師に就職するか、それとも一旦看護師として病院等で経験を積み、その後、行政保健師になるかについて、ご質問をいただき、重要なポイントについてこちらでもお知らせします。
現在、看護大学に通っている学生です。
保健師過程を履修していて、将来は行政保健師として働きたいと思っています。
現在、ある総合病院から卒業後その病院で四年間働くことを条件に、奨学金を借りています。
私の家庭は母子家庭で、授業料、生活費を賄うために入学時に奨学金を借りています。
しかし、授業を受けていく中で、地域看護、行政保健師に興味を持ちました。
将来は、行政保健師として働いていきたいと思うようになりました。
ただ、病院から奨学金をもらっている身分であり、どうしようかと悩んでいます。
卒業後、そのまま行政保健師になるか、それとも、看護師の臨床経験を積んでから行政保健師になるか、悩んでいます。
奨学金の方は、学校卒業後すぐに行政保健師なっても返せるかなと考えていますが、家族や友人の意見などから、まずは病院で何年か臨床経験を積み、行政保健師を目指すのがいいのかと悩み中です。
行政保健師になるという夢は確固たるものですが、学校卒業後そのまま行政保健師になるべきか、看護師としての臨床経験を積んでからのほうがいいのか、アドバイスをいただけますか?
行政保健師として働きたいと思っているのですね。
病院で臨床経験を積むことは、行政保健師を目指す上で役にはたちますが、必須ではありません。
そうした状況で、看護師として数年働いていけるかを考えるといいと思います。
毎年多くの方にご質問いただくのですが、本当は行政保健師として働きたいと学生の時から思っていたが、看護師としての臨床経験も役に立つと思い病院に就職したが、業務の大変さや人間関係もあり、半年で看護師を辞めて行政保健師になるのは可能かというご質問が多くあります。
本来の自分の夢があるが、それでも看護師として就職するには、何か強いモチベーションが必要です。
例えば、「私はいずれ行政保健師になって小児領域を担当したい(基本的に、行政保健師は地区担当制をとっていて、全ての領域を担っていますが、行政保健師の中で、精神領域に強い方、小児領域に強い方などがあり、これらは、病院での臨床経験がある方は、その領域の仕事を担当したりします。例えば、精神科に勤務していた方は、行政保健師になって、全ての領域は担当しますが、その中でも精神領域に関して、さらに専門的な仕事をすることがあります)と考えているが、まず看護師になって小児領域の疾患をある程度看れるようになろう、ある程度看れるようになったら迷わず看護師を辞めて行政保健師になる。初めは看護師だけど、全ての経験が、行政保健師に繋がっている。」ぐらいまで深く考えないと、看護師として働いていくモチベーションを保つことは難しいと思います。
ただ単に、看護師としての臨床経験が行政保健師になったときに役にたつかなぐらいでは、看護師として暫く働いていくのも難しいと思います。
当然、看護師としての勤務は厳しいです。
知識や技術がないうちは、怒られることも頻回でしょう。
看護師はシフト勤務であり、疲弊することもあるでしょう。
そうした時に、今、自分がやっていることは、自分の将来に繋がっていると確信できないと、耐えていくことは難しいです。
臨床経験を経ずとも、学校卒業後そのまま行政保健師になり、専門性も段々身につけることもできます。
学校卒業後すぐに行政保健師になった方を見て、本当は行政保健師になりたいと考えていたが看護師の臨床経験が行政保健師になったときに役に立つと考えて病院看護師に進んだ自分が、そのまま行政保健師になった方をうらやましく感じないかを考えてみてください。
病院でしか経験できないことも当然あります。
看護師としての経験が、行政保健師になったときに役に立つこともあるでしょう。
自分はどういう行政保健師になりたくて、その姿になるためには、どういう道をたどればいいのかを考えていくことが大切です。
学校卒業後すぐに行政保健師になっても、年数とともに経験が積まれていくと、自ずと専門性も生まれてきます。
そのため、どうして看護師になるの、何の目的で看護師になるのなど、深く考えていくことが必要です。
行政保健師の仕事内容などは、こちらをご覧ください。
行政保健師としての生活、今後の進路などで、不安に思っていること、疑問に思っていること等がありましたら、遠慮なく私たちにご質問ください。
どのようなご質問でも大丈夫なので、こちらより、ご相談ください。