公務員看護師職就職への道
看護職として公立病院で、働いていきたいと考える方もいます。
公立病院で働く看護師は、公務員です。
公立病院が独立行政法人になっている場合は、名目上は公務員ではなくなりますが、待遇は公務員に準拠しているものとなっています。
ほとんどの公立病院は独立行政法人になっていないので、公立病院で働く看護師のほとんどは、公務員となっています。
看護師として、かつ公務員として働くには、市役所職員の公務員試験で、看護師職区分で採用される、都道府県職員採用試験(公務員採用試験)で、看護師職で採用されることが必要です。
安定志向の強い看護学生、看護師に、公務員看護師職になろうとする方が多いです。
公立病院で働く看護師職は、30代の看護師や、男性看護師にも人気があります。
公務員ですので、身分が安定し、福利厚生が充実しています。
現実的な話ですが、家のローンを借りようとしたら、公務員であると借りやすいということがあります。
また、退職金がしっかり出て、その金額も法律に則っていますので、老後のことも考えると利点があります。
看護師をしていて、一番お金をもらえる道というのは、学校を卒業してすぐに、公立病院に就職し、そのまま定年まで勤務して、そして退職金をもらうことであると言われています。
退職金は、勤続40年ぐらいだと、3千万円ほどもらえる場合もあります。
年金も、一般の病院が加盟している、厚生年金と比べると、手厚いものとなっている共済組合に入ることになりますので、年金額が多くもらえるということもあります。
まあ、ずっとその病院に、定年までいるというのは、なかなかいないですけれどね。
それくらい、安定性があって、福利厚生も充実しているというのはあります。
20代のうちは、なかなか公務員ということの良さをあまり理解できなかったけれど、30代になって、結婚や家族ができると、安定性や福利厚生の充実という部分に目が行くようになってきます。
公立病院ではない病院も、福利厚生の充実をはかっていますが、年金や退職金のことも考えて、病院選びをするというのも、大切な視点です。
都道府県の公務員の看護師職になった場合の異動
また、公立病院のなかで、都道府県の公務員看護師職になった場合は、色々な選択肢の幅ができてきます。
公立病院の仲でも、市区町村立の公立病院の看護師になった場合、身分は公務員ですが、ずっと市区町村立の病院で勤務することになります。
病院内での病棟の異動はありますが、基本、その病院のなかで勤務することになります。
しかし、都道府県の公務員看護師職になった場合は、都道府県立の病院に勤務しながら、異動で保健所勤務を命じられることもありますし、希望で異動できることもあります。
また、精神保健福祉センターでの勤務になったり、消防学校での勤務、看護学校(都道府県立の看護学校)での勤務(看護教員として)など、色々な選択肢が出てきます。
働いていて、自分の将来で、このような仕事をしたいという希望が出てきたら、その希望が叶う施設が都道府県立としてあるのならば、希望を出すこともできます。
もちろん、希望が必ず叶うという訳ではありません。
それでも、最近は、異動の方針として、本人のスキルと希望などに沿って、異動先を決めるということが行われています。
病院内での異動だけでなく、他の施設に異動となることもあるのです。
そこが、都道府県の公務員看護師職の面白さでもあります。
国立病院の管理職になった場合の異動
独立行政法人(旧国立)の病院では、看護師として管理職になると、異動は全国になります。
つまり、病院の看護師長や看護部長になると、全国での異動の可能性があります。
東京で勤務していたけれど、異動が命じられて北海道の独立行政法人の病院に異動になったということがあります。
さすがに、結婚したり、家の事情等が考慮されますが、基本は全国異動です。
全国色々な所で勤務したい方には良いかもしれませんが、看護管理職になる頃には、結婚していたり、家族がいたり、親と同居ということもあります。
家庭事情で異動が難しいこともあります。
そうした場合、どうしていくかということが悩むところです。
公務員看護師職は、年齢が上がるにつれて、その安定性や福利厚生に注目されてきます。
看護学生、看護師として若いうちから、自分のライフプランに合わせて、どの病院に就職しようか、どのような身分として働いていくかを考えていくことは、大切なことです。
看護師職採用の公務員試験の難易度
看護師職採用の公務員試験は難しいか?という質問をよく頂きます。
難しくないです。
私自身、看護師として公立病院で働いていたので、公務員という身分でした。
以前は、行政職の公務員と同じように、教養試験と専門試験(看護師の場合は、看護師国家試験のようなもの)を受けなくてはいけませんでしたが、今はほとんどの自治体が、専門試験と面接試験だけで受験することができます。
看護師国家試験のための勉強が、そのまま公務員採用試験(看護師職)の受験対策にもなります。
教養試験がなくなった分、負担は大きく減りました。
公務員採用試験(看護職)は、専門試験と面接試験で受験します。
専門試験の難易度は、看護師国家試験と同程度です。
ただ、公務員採用試験(看護師職)は、9月に行われることが多く、早めに看護師国家試験問題に目を通しておく必要があります。
11月や12月くらいから看護師国家試験問題集を解き始める人もいますが、看護師職の公務員試験を受けようと考える人は、早めから看護師国家試験問題を解いていくことをおすすめします。
どこの病院も看護師不足であり、募集をかけてもなかなか看護学生、看護師が集まらないという状況にあります。
公立病院も例外ではありません。
なかなか採用予定者数に至らず、二次募集をかける所もあります。
知名度の高い病院は、志願者が集まりやすいですが、一般的な公立総合病院はどこも採用者を確保するのに苦労しています。
特徴のある、たとえば単科の病院などは、その分野に興味のある看護学生や看護師が応募してきますが、一般的な公立総合病院だとなかなか志願者が集まらないそうです。
公立病院も、総合的な病院が多く、採用に苦労しています。
福利厚生もしっかりしていますが、なかなか採用者を確保できていません。
今は、大学病院も看護師の新規採用者を確保するのに、必死です。
大学の学部生に声をかけ、大学病院に就職するよう促しています。
大学病院に就職すれば、働きながら、その大学の大学院に通うこともできる制度を作ったり、もちろん、福利厚生を整えたりしています。
それだけ、看護師を募集するのは、難しくなっています。
公立病院も、看護師の新規採用に苦労していて、二次募集をかけることも少なくありません。
試験から教養科目をなくすなど、看護学生や看護師が受験しやすいようにしています。
公務員看護師職になろうと考えている方には、受験しやすい環境にはあります。
市町村の保育園で勤務する看護師職も
他に、公務員看護師職として変わっているものとしては、市町村の保育園で勤務する看護師職もあります。
園児の健康管理や病児保育などを担当します。
これは、数は少ないですが、募集している自治体があります。
ただ、ほとんどの自治体では、このような保育園で働く看護職というのは、珍しいです。
また、市町村役場で働く看護職というのも、これも珍しいですがあります。
市区町村役場で、健康に関する部署に配属され、そこで健康計画などを企画し、実施する役割があります。
事務の仕事となり、実際に患者さんと関わるということは、ありません。
ほとんどの自治体は、健康に関する企画などは、保健師の仕事であり、看護師が募集されることは、珍しくなります。
充実の福利厚生や育休制度が整っている公務員看護師職
公立病院で看護師をしてみたいと考えている方は、ぜひ受験してみてください。
受験しやすく、採用されやすくなっています。
公務員という身分になりますので、これから何十年とずっと働いていきたいと考えている方には、おすすめです。
そして、公務員看護職として就職する最大のメリットは、やはり給与面の高待遇です。
公立病院と民間病院に勤務する看護師の年収を比べると、約80万円近く公立病院で働く看護師の方が高いと言われています。
同じ看護師として働くのであれば、できるだけ給与が高い職場が好ましいですよね。
また公務員としての福利厚生を受けることもできるのも魅力です。
退職後の年金支給額も他に比べると高いといわれていますし、働く女性にとって嬉しい育休制度も整っています。
民間病院では一般的に1年間の育休制度ですが、公務員の場合は最大で3年間支給されています。
子育てに専念できる環境が整っていますね。
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(written by いまちゃん)
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